老後資金を運用するコツとポイント、注意点

老後資金の準備というと「投資」「資産運用」「外貨」「変額年金」というような投資話が中心になってきます。ただ、そうした運用方法を取ることが老後資金運用(貯蓄)において本当に正しいのでしょうか?ここでは金融機関に騙されない老後資金の運用や貯蓄のコツとポイントを、注意点をまとめていきます。
運用可能期間をまずは考える
老後資金は将来のトラの子です。
安易に危険(リスク)にさらしてはいけません。
老後資金に限らず、資産運用・投資は「時間を味方につける」ということがポイントになります。「複利効果」が得られるというのも一つですが、長期的な積立投資をすれば、時間分散ができることでリスクを軽減することができます。
たとえば、バブル経済崩壊から日経平均株価は大きく下落しました。
しかしながら、崩壊前の日経平均の最高値となる38915円から毎月一定額の投資をしていれば、日経平均が15000円の現在で運用益が生じているというものです。
積立投資のメリットでもある「ドルコスト平均法」が効いたことによるものです。
・複利効果
・ドルコスト平均法による時間分散
それぞれの効果について詳しくは「投資における「複利効果」とは?」「ドルコスト平均法による投資のメリットとデメリット」などの記事も参考にしてみてください。
こうした働きもあって、長期投資をするのであれば運用はお勧めです。そういう意味では長期的な投資となる「確定拠出年金」などはメリットのある運用方法だと思います。
逆に短期の運用では、大きな変動があった場合に大きな損失が発生してしまうリスクもあると心得るべきです。
リスクをとってもいいお金と悪いお金を考えよう
お金には色はありませんが、老後を見据えた上で自分が保有している資産のうち、リスクにさらしてもいいお金と悪いお金をと考える必要があります。
たとえば、2000万円の資産があるというケースでも、人によってそれをどれだけリスクにさらしてよいかは変わってきます。
働ける期間が長い若者の場合は、リスクをとって運用し、それが失敗しても労働によって取り返すことができます。一方で働ける期間が短い50代以降というような方は、リスクをとって資産が目減りすると、取り戻せないという可能性もあります。
20代、30代はリスクのある投資も考えるべき
まだ若い人であれば、「これから労働によって稼ぐお金」というものが潤沢にあります。そのため、今保有している資産を多少リスクにさらして運用が失敗しても「取り返しがつきます」。
そう考えた場合、若いうちは株式投資や投資信託などに代表されるような、運用性の高い商品での投資も十分に検討するべきです。
また、お金についても「運用よりも稼ぐ力」を考える方が効率的なケースも多いです。「自己投資で自分の価値(稼げる力)を高めることが年金対策にもなる」でも書いていますが、多く稼げる能力、長く働ける能力を身につける自己投資にも力を入れましょう。
40代後半、50代の運用は積極的なリスクよりもミドルリターンを狙う
そういったこともあり、40代後半以降の老後資金運用に関しては積極的なリスクを取る投資をするよりも、老後資金の運用としては「安定した収益」を望む投資の方がお勧めです。
代表的なものとしては下記のような商品があります。
・ネットバンクなどの高金利定期預金
1000万円までは元本保証です。都市銀行やゆうちょ銀行などと比較すると金利も高いので、絶対に崩したくないお金の運用には最適です。いつでも解約できるので、老後資金兼万が一のためのお金としてもおすすめです。金利状況については「ネットバンク比較ランキング」などをご参照ください。
・個人向け国債
10年タイプなら変動金利となるのでインフレリスクにも対応。途中での解約も可能でその場合も元本割れはしません。個人向け国債への投資については「はじめての国債投資」などがおすすめ。
・世界的に分散された投資信託など
投資という場合には、分散投資されたインデックスタイプの投資信託がおすすめ。金融機関が勧める毎月分配型などは論外。「セゾン投信」が扱う「グローバルバランスファンド」などは一本で世界中にインデックス投資ができるのでお勧め。