企業型確定拠出年金の長所と短所、加入条件

企業型確定拠出年金とは、会社が「企業年金」として実施する年金制度の一つです。第2号被保険者の「3階建部分」の年金となります。
企業年金というと「確定給付企業年金」や「厚生年金基金」がこれまでの中心的な年金制度として利用されていましたが、近年ではこの「確定拠出年金【401k】」を選択する企業が増えてきています。
企業型確定拠出年金のメリットは?
企業型確定拠出年金の労働者としてのメリットはこれまで拠出された保険料は、会社がどうなろうが保証されているということです。
確定給付企業年金や厚生年金基金の場合、企業の倒産や年金基金の解散などによって年金額が減額されたり支給されなくなるというリスクがあります。
実際に、2012年のAIJ投資顧問による巨額の年金消失事件などが決定打となり、基金解散となる厚生年金が相当数でることになりそうです。結果として老後の年金が大きく減るという方も少なくはありません。
確定給付企業年金であってもJAL破綻時のOB3割減額、現役5割減額という話もあるように確定的な年金ではないのです。
企業型確定拠出年金の場合、掛け金は個人単位で管理されることになりますので、会社が動向によって年金額が減額されることはありません。
もう人うのメリットは「持ち運びの容易さ」です。
401kの資産は個別に個人単位で管理されていますので、401kがある別の企業に転職してもそれまでの掛け金を引き続き運用することができます。
また、企業年金制度がない会社に勤務した場合であっても「個人型確定拠出年金」として個人ベースで引き続き運用が可能となります。
※ただし、3年以内に転職・退職した場合には受益権は確定されていません。3年未満で退職(転職)した場合には掛け金は没収というケースがほとんどです。
一方の運用リスクは個人が負う
一方で401kの場合、年金原資を自分でどう運用するかを決める必要があります。
基本的には「投資信託」や「定期預金」などの用意された金融商品の中から自分で選択して運用します。運用によって増えればそれは将来の自分の年金額アップにつながりますが、そうでなくて減ってしまえば年金額の減少となります。
運用リスクは個人が負う必要があるわけです。
ただし、「運用益は非課税」というような大きなメリットもあります。
普通に証券会社や銀行で投資信託を買うよりも非課税というメリットがある以上はより有利に運用をすることができます。
掛け金は会社が支払うが、個人での上乗せ(マッチング拠出)も可能
企業型確定拠出年金の掛け金は会社が支払っていますが、会社の掛け金等を上限に労働者が自己の負担を持って拠出額を追加することもできます(会社によっては非対応のところもあります)。
これを「マッチング拠出」と言います。
個人が掛け金として支払った分は「全額所得控除」の対象となりますので、その分だけ所得税や住民税などの節税ともなります。運用益は非課税となりますので老後の年金作りにおいては上手に活用したいところです。
運用について勉強しよう
これからの時代、資産運用を避けることはできません。老後の面倒は国や会社に見てもらうという時代ではなくなってきています。
401kを導入している会社では投資についての勉強会なども開催されているはずですから積極的に活用して下さい。また、自分自身で勉強することも大切です。
401kの場合、運用商品は基本的に「投資信託」となるはずです。リスクが怖いからといって定期預金だけに預けるというのは間違った消極的戦略になると思います。
もちろん、リスクをとり過ぎるのも問題です。
「投資信託入門講座」などを参考に、投資と運用について考えてみてはいかがでしょうか?