退職金・企業年金・iDeCoの受け取り方と税金
退職前後は、公的年金だけでなく、退職金、企業年金、企業型DC、iDeCoをどう受け取るかが重要です。同じ金額でも、一時金で受け取るか、年金形式で受け取るか、受取時期が重なるかによって、税金や社会保険料、老後資金の使い方が変わります。
一時金と年金受取の違い
| 受け取り方 | 主な税制 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 退職金・iDeCoを一時金で受け取る | 退職所得として扱われる場合がある | 退職所得控除、受取時期、過去の退職金との関係を確認する |
| 企業年金・iDeCoを年金で受け取る | 公的年金等または雑所得として扱われる場合がある | 公的年金等控除、毎年の所得、社会保険料への影響を確認する |
| 一時金と年金を併用する | それぞれの所得区分を確認 | 税金だけでなく、生活費の安定性と取り崩し計画を確認する |
退職所得控除の基本
国税庁は、退職所得について、原則として「収入金額から退職所得控除額を差し引き、その2分の1を退職所得の金額とする」計算を示しています。また、確定拠出年金法に基づく企業型年金規約または個人型年金規約に基づいて、老齢給付金として一時金で支給されるものも、退職所得とみなされることがあります。
退職所得控除額は勤続年数に応じて計算されます。勤続年数20年以下は原則として40万円に勤続年数を掛けた金額、20年超は800万円に70万円×20年を超える年数を加えた金額が基本です。ただし、同じ年に複数の退職金を受け取る場合、過去に退職金を受け取っている場合、短期退職手当等に該当する場合などは扱いが変わります。
iDeCoは受取方法を選べる
iDeCo公式サイトでは、iDeCoの年金資産は老齢給付金として原則60歳から受け取ることができ、受給開始時期は75歳になるまでの間で選べると案内されています。受取方法は、一時金、年金、一時金と年金の組み合わせを取り扱う金融機関があります。
一時金で受け取ると退職所得控除を使える可能性がありますが、退職金と同じ時期に受け取ると控除の使い方に注意が必要です。年金で受け取ると毎年の収入になりますが、公的年金や企業年金と合算して税金・社会保険料に影響することがあります。
退職前に確認する順番
- 勤務先の退職金規程、企業年金、企業型DCの有無を確認する。
- iDeCo、企業型DC、DB、退職金の受取可能時期を整理する。
- 一時金で受け取る場合の退職所得控除を確認する。
- 年金形式で受け取る場合の毎年の所得と手取りを確認する。
- 公的年金の受給開始時期、繰下げ、在職収入、NISAの取り崩しと組み合わせる。
判断を間違えやすい場面
- 退職金とiDeCoを同じ年に受け取る
- 企業年金を年金形式で受け取り、公的年金と合算される
- 退職直後に大きな投資をして、生活費や税金の資金を残していない
- 年金受給開始後に働き続け、給与・年金・企業年金が重なる
- 医療費控除や確定申告の還付を見落とす
老後資金の取り崩しとセットで考える
税金だけを最小化しても、生活費が不安定になっては意味がありません。退職金を一時金で受け取って預金に置く、iDeCoを年金形式で受け取る、NISAを必要に応じて売却するなど、老後資金全体で考えます。詳しくは老後資金の取り崩し方も確認してください。
関連サイトでさらに読む
公式情報も確認する
- 国税庁:退職金を受け取ったとき:退職所得、退職所得控除、一時金の確認
- 国税庁:公的年金等の課税関係:年金形式で受け取る場合の課税確認
- iDeCo公式サイト:加入資格・掛金・受取方法等:iDeCoの受取方法の確認