国民年金保険料の免除・納付猶予制度。未納にしないための手続き
収入の減少、失業、事業の不振などで国民年金保険料を納めるのが難しいときは、未納のまま放置せず、免除・納付猶予制度を確認しましょう。承認されると、将来の老齢年金や障害年金・遺族年金の扱いが未納とは大きく変わります。
免除と納付猶予の違い
| 制度 | 対象の考え方 | 老齢年金額への反映 | 障害・遺族年金との関係 |
|---|---|---|---|
| 免除 | 本人・世帯主・配偶者の所得が一定以下、失業など | 全額免除でも一部は年金額に反映 | 受給要件の期間に算入される |
| 納付猶予 | 20歳以上50歳未満で、本人・配偶者の所得が一定以下 | 追納しないと年金額には反映されない | 受給要件の期間に算入される |
| 未納 | 手続きをせず納めていない状態 | 反映されない | 受給要件で不利になることがある |
一部免除は、減額後の保険料を納めて初めて免除期間として扱われます。承認されたら、その後に必要な納付がないかも確認してください。
申請できる期間と失業時の特例
免除・納付猶予は、保険料の納付期限から2年を経過していない期間について申請できます。失業、倒産、事業廃止などの場合は、失業等した本人の前年所得にかかわらず審査される特例があります。
離職票や雇用保険受給資格者証、事業廃止を確認できる書類などが必要になることがあります。早めに市区町村窓口や年金事務所で確認しましょう。
所得審査で見られる人が違う
免除と納付猶予は、似ていますが所得審査で見られる範囲が異なります。免除は本人、配偶者、世帯主の所得が関係し、納付猶予は本人と配偶者の所得が中心になります。親と同居している若い人や、世帯主の所得がある家庭では、この違いで結果が変わることがあります。
一部免除になった場合は、減額後の保険料を納めないと未納扱いになる点にも注意が必要です。「承認されたから何もしなくてよい」と思い込まず、全額免除なのか、一部免除なのか、納付猶予なのかを通知書で確認しましょう。
追納で将来の年金額を増やせる
免除・納付猶予を受けた期間は、後から追納することで老齢基礎年金を満額に近づけることができます。追納できるのは、追納が承認された月の前10年以内の期間です。
学生納付特例や納付猶予の期間は、追納しないと老齢基礎年金額には反映されません。余裕ができたら、古い期間から追納を検討しましょう。
退職直後は健康保険と一緒に確認する
退職して会社の厚生年金から外れると、国民年金への切り替えが必要になることがあります。同時に、健康保険を任意継続にするか、国民健康保険に入るか、家族の扶養に入るかも考える時期です。収入が下がるタイミングで保険料負担が重なるため、国民年金の免除・納付猶予と健康保険の手続きを一緒に確認しましょう。
失業給付を受ける予定がある人は、退職後の雇用保険・失業給付、退職金やiDeCoの受取がある人は退職金・iDeCoの税金もあわせて見ると、退職後の手取りが分かりやすくなります。
関連リンク
- 学生納付特例制度
- 産前産後期間の国民年金保険料免除
- 国民年金保険料の追納制度
- 国民年金保険料の制度比較
- 国民年金を払えないときの判断フロー
- 退職前後の年金手続き
- 退職後の雇用保険・失業給付
- 65歳以降も働く人の社会保険
- 退職金・iDeCoの税金
- 年金を払えない・未納にするとどうなる?
- 日本年金機構:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
手続きで確認したいポイント
国民年金保険料の免除・納付猶予制度。未納にしないための手続きは、知っているだけでは効果が出にくく、期限内に申請する、必要書類をそろえる、控除証明書や通知書を保管するなどの実務が大切です。国民年金や社会保険は、退職、転職、進学、出産、扶養変更、家族の保険料を支払ったときなど、生活の変化と一緒に手続きが発生します。
- 制度を使える対象者か、本人だけでなく世帯や配偶者の条件も確認する
- 申請期限、対象期間、必要書類、提出先を早めに確認する
- 保険料を払えない場合は未納にせず、免除、猶予、学生納付特例などを検討する
- 年末調整や確定申告に関係する支払いは、控除証明書や領収書を保管する
家計への影響も見る
保険料の支払い方法や免除制度は、短期的な負担だけでなく将来の年金額にも関係します。クレジットカード払い、前納、追納、免除、猶予、家族分の支払いは、それぞれメリットと注意点が違います。目先の支払い額だけでなく、将来の年金、障害年金や遺族年金の保険料納付要件、税金の控除まで含めて確認しましょう。
判断に迷う場合は、年金事務所、市区町村窓口、勤務先、税務署など確認先を分けるとスムーズです。年金の加入・納付は年金窓口、税控除は税務窓口、扶養や社会保険加入は勤務先で確認するのが基本です。
次に取る行動
まず対象期間と手続き期限を確認し、必要書類を用意します。あわせて国民年金保険料の制度比較、国民年金を払えないときの判断フロー、ねんきん定期便の見方を確認すると、手続き後の影響まで見通しやすくなります。
次に読むなら
公式情報も確認する
- 日本年金機構:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度:対象者、申請期間、所得審査の確認
- 日本年金機構:国民年金保険料の免除・猶予・追納:関連制度全体の確認
- 日本年金機構:国民年金保険料の追納制度:追納可能期間と手続きの確認